現在、歯科医師になって20年近く経ちました。
学生時代はあまり深く考えることなく、歯医者という仕事について考え始めたのは
大学5年生のころからでした。
大学病院での臨床実習や具体的に治療の実習、そして今までの4年間の総復習といった感じでした。
その勉強をしている過程で、虫歯や歯周病は生活習慣病であり予防することができるのではないか?と思うようになりました。
大学卒業後、研修医として大学の歯周病治療専門の教室へ残ることに決めました。
歯周病の専門に進んだ理由は、歯周病は予防ができる、予防を学ぶには一番良いと考えたからです。
この大学病院で学んだことが現在の私の歯科医師としての基礎になっています。
勤務医時代、いろいろな医院で様々な経験をさせてもらいました。
そこで私が見たり聞いたりした歯科医院は、予防とは程遠い削ることがメインの治療ばかりでした。
そしてめまぐるしく来院される患者さんの治療、治療、治療。
患者さんは30分以上待たせるのが当たりまえ。そんな医院も多くありました。
僕は幸い勤務先に恵まれましたが、歯科助手が患者さんの処置をするといった医院もあるようでした。
患者さんが抱える歯科医院への不満の中に一番多かったことは「説明がない」という声が多くありました。
そして、患者さんの困っていることを聞いてくれない、話せる雰囲気ではない・・・
その結果からさらなる不満が出てくることが多くあると思います。
しかし、それを歯科医師たちが、知らないのではなく、「できない」システムであることが原因かもしれません。
それは、歯科医療システムの問題であり、保険診療のシステムの問題です。
多くのスタッフが、やる気を持たず、とりあえず仕事をしなくてはならないから、歯科医院に勤めているだけ・・・と仕事をする理由を話す現状。
他に良い職場があったら、すぐにでも辞めたい・・・と話す人ばかり。
しまいには、ほとんどの医院が、院長とスタッフは、決して良い関係ではなく、嫌いであると言うスタッフもいるのでした。
もちろん、そんな状態ですから、多くの院長たちも、スタッフへの不平不満・・・
もちろん、みなさんすごく良い院長で歯科医師として尊敬できる方ばかりでした。
しかし、そういった問題に対してあきらめている状態でした。
開業医へ分院長として勤務した時、治療内容や、治療技術以前の問題で、「医院運営」という大きな問題もありました。
現在、歯科医院は飽和状態と言われています。次から次へと新しく歯科医院ができています。しかし、やはり新しい医院も最新の治療技術を追い求め、若い先生、新しいきれいな歯科医院というだけで、患者さんとの会話や説明を大事にしている医院はまだまだ少ない。そう感じています。
私はそのような医院とは違うあなたの歯を守る歯科医院作りをしたいと思っています。
あくまでも私の個人的な考えですが、基本的に歯医者は歯を削って治療をしないと儲かりません。
果たしてそれで、あなたの歯を守れるでしょうか?
あなたも経験的にご存じのはずです。削ったところからまた虫歯になり、それを繰り返していることを。
削れば削るほどまた虫歯が増えていくことを。
私は出来る限りあなたの歯を削りたくありません。
笑顔で患者さんとスタッフとの笑い声が絶えない歯科医院が私の理想です。
歯科医院はいやいや通うところではなく、楽しみに通うところにしないといけないのです。
私自身がこんな歯科医院に通ってみたい。
こんな歯科医院を生涯をかけて創っていきたい。